【後編】あ~~いい湯だね!JR北千住駅社員の銭湯清掃体験レポート!in若松湯 ~店主 山田さんへのインタビュー~

↓前編はこちらから
https://jobansenknow.jp/1116/

前編では、足立区内にある若松湯さんにご協力頂き銭湯の清掃体験の様子をお伝えしました。 後編では、山田さんへのインタビューをお送りします。

若松湯・山田さんの1日のスケジュール

―山田さんの1日のスケジュールについて教えてください。


08:30 起床
09:00 ボイラーをつける
10:30 仕込みを終わらせる
11:00 浴場組合や商店街の会合や定例会・打ち合わせ
13:30 店を開ける準備
 お湯を絞る(最初はぬるいお湯が出るので温かいお湯が出るまで調整する作業)
 薬湯の準備(所要約1時間)
15:00 若松湯 開店
17:00~21:00 番台タイム(夕食後、運営しているコインランドリーの巡回)
22:30~24:00 24時の閉店まで番台タイム
営業終了後に清掃 (所要約1時間半、アルバイトの方がいないと倍かかります)
その後、デスクワーク
03:00~04:00 ようやく就寝

軟水の湯


―若松湯さまのお湯は「美肌軟水の湯」と呼ばれていますが軟水にした経緯や、こだわり等あれば教えていただけますか。
実は最初は軟水を致し方なく始めました。
地下からパイプを使って井戸水をくみ上げていましたが、ある時、地下水と一緒に地層の砂が混入してしまい、井戸を掘りなおすか軟水装置を入れるかの選択を迫られました。
解決策として軟水装置を導入して、井戸水のパイプの詰まりも改善したことで大変良い水となりました。

軟水は柔らかく、熱いお湯にあるようなピリピリ感もないのですごく体が温まるんです。
結果としてお客さまにご好評いただくようになりました。
実は私の妻も軟水を気に入っており、軟水がきちんとできないと怒られます。自分も軟水でないと満足できなくなり、今では軟水以外は入れなくなりました(笑)。
たくさんの銭湯を回りましたが、おそらくうちが一番濃い軟水だと思います。

軟水作りは最初は安定せず、8~9年目でようやく落ち着いてきました。
井戸の水はすごくデリケートで軟水にならない時もありました。
原因はわかりませんが、井戸は昔から神様が宿っていると言われてきました。
井戸に神様をお祀りすることで井戸が崩れたりしないように安定を願ってきたんです。
井戸はそれくらいデリケートなものなのです。
神様をお祀りする理由がわかりましたね。

香り湯プロジェクト

―若松湯さまが進めている香り湯プロジェクトについて教えていただけますか。
地方と連携して様々な企画をされている方が近所におり、私も一緒に地方と協力して何かできないかを考えました。
足立区の友好自治体であるりんごの里・山ノ内町(長野県)からは、災害で売り物にならなくなったりんごを頂きりんご湯を、神山町(徳島県)からは用途の無いかぼすを頂きかぼす湯を企画しました。
見た目に難があっても香りのよいものを選別し香り湯を企画することで、好評頂くと同時に世の中のSDGsの流れに倣った活動もできています。

私は季節のものは旬のうちに味わい楽しむことが一番良いことだと考えていますので、旬の時期にくだもの狩りを楽しむように、香り湯の銭湯も楽しんでもらいたいですね。
ほかにも井草の湯など毎月企画をしていますので、旬を感じながら気持ちよく入浴してもらい、地方の宣伝効果にもなればと考えています。

銭湯の今後について・・・

―今後、鉄道会社と取り組んでみたいことはありますか。
足立区の銭湯各店をモチーフにした銭湯カードを作ってみたいです。
煙突や店構えなどネタはいろいろあるので展開していきたいですね。

―JR北千住駅でもお子さま向けに電車カードを作っているのでコラボできるとおもしろいですね。

あと、もっともっと地域に貢献していきたいと考えています!
地域の繁栄なくして銭湯の繁栄はありません。
今度、銭湯組合の各店が総出で足立区発祥の化粧品のサンプリングを実施します。
ポスター掲示も行い、銭湯を媒体に相乗効果での地域活性化を目指します。

長期の計画では銭湯全店にデジタルサイネージの設置を目指します。自店と地域の宣伝を行い相互に活性化していきたいですね。

以前、マラソン後に銭湯に入り商店街で一杯飲んで帰るという企画を行いました。銭湯ではタオルレンタルやドリンクサービスを行い好評いただきました。

地域や商店街など全てが連携し活性化していけるといいですね。

―ありがとうございました!

インタビューを終えて

店主の山田さんのあまりに多忙な1日に驚きました。
わたしたちの仕事も24時間体制の交代勤務で不規則ですが、交代者もなく夜遅い時間まで働いて、山田さんのお体が心配になるくらい銭湯の経営は本当に体が丈夫でないと務まらないと感じました。

また、井戸に神さまが宿るというお話が神秘的で印象に残りました。
それぐらい井戸の水を大事にされていて、銭湯にとっての「水」の大切さを感じました。
軟水の湯に変更したことが良い転機となり、地域の皆様から慕われている今の若松湯さんに繋がったことが本当に良かったと思います。

香り湯プロジェクトでは銭湯でもSDGsの考えを積極的に取り組み、新しいことに挑戦する、バイタリティーあふれる山田さんの活動に驚くばかりでした。

今後もJR北千住駅と足立の銭湯と協力してより良い相乗効果を見出せるように地域との繋がりを大切にしていきたいです。

DATA

■若松湯
【住所】足立区中央本町2-19-11
【営業時間】15:00~24:00
【定休日】金
【アクセス】北千住駅乗り換え東武伊勢崎線「五反野」駅から徒歩6分
【電話番号】03-3886-5230
【公式HP】 https://www.wakamatsuyu.com/

※2021年10月現在の情報です。
※新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、営業時間等に変更が生じる場合があります。

タグ

関連記事

TOP