「柏には数多くのBarが存在しています。ニッカウヰスキーの工場も柏にあり、柏には洋酒文化が根付いているにも関わらず、まだまだ知られていないのが現状です。そこで柏のBarや洋酒を愛するメンバーが集まり、2018年に立ち上げたのが『柏洋酒文化広報部』です。」
柏洋酒文化広報部の成り立ち、Barへの思いを語ってくれたのが柏洋酒文化広報部代表の石原さんです。同じく2018年に立ち上げたウェブサイトにはBarでの立ち振る舞いなど、知っていると心強い豆知識などが書かれています。
「Barが好きな人は静かな空間を好まれることが多いですが、お酒が入って少し賑やかになってしまう人も少なからずいます。一般的にはお店側が注意をしたり、ルールを作りますが、やっぱりお店からは言いにくいと思うんですよね。そこで、皆が心地よく過ごせるよう、利用者であるぼくたちがBarでの過ごし方などを発信することにしました。」

現在メンバーは約10名、柏のBarや洋酒文化のファンとしてプライベートを使って活動を行っています。
石原さん「まずは少しでもBarの敷居を下げるために、ウェブサイトで情報発信し、セミナーを開くことからはじめました。さらに自分たちが好きなBarを知ってもらうため、『柏Barマップ』を作りました。柏には大人が上質な時間を過ごせるBarがたくさんあるんです。」
同席した柏洋酒文化広報部の加藤さん、石牧さんも笑顔でうなずきます。柏洋酒文化広報部のみなさんはそれぞれ全く異なる本業を持っていて、本業の合間をぬって時間を割いていただきました。

石原さんと話をしていると、Barの経営者と話しているかのような錯覚に陥りました。Barへの思い、愛が強く、Barの魅力を知って欲しいという熱量がBar経営者のように感じられたからです。それを石原さんに伝えると、「柏には、周りの人がやっていることについ口や手を出してしまう人が多い笑」とのこと。(石原さん調べ)
また、インタビューの場所を提供いただいたオーセンティックバー Bar Calma飯島さんも言います。
飯島さん「柏はBarとお客さまの距離感がすごく近いと思います。バーテンダーとして柏で修行しましたが、お店を持つなら柏でと考えていました。お店同志の物理的な距離も近いので、お客さまを紹介しあったりもしますよ。」

]※撮影のため、マスクを外していただきました
「Barの街」とネット検索をしてみると、宇都宮や松本、沼津といった名前が出てきますが、柏も駅から半径500mの範囲にBarが30店舗以上ある、Barの街でもあります。自然とBarの経営者やその関係者が集まり、柏を盛り上げようという空気が広まっていったようです。
石原さん「柏をウイスキーで盛り上げようと、柏のBar経営者の方々が2011年から『かしわウイスキーフォーラム」という取り組みを始めました。フォーラムは毎年開催され、ウイスキーの魅力が浸透していったと思います。
そしてウイスキーが世の中に浸透していった結果、国産ウイスキーの原酒が品薄になったことで、一旦2017年にフォーラムは幕を閉じましたが、Bar経営者の方とともに新たなイベントをやってみたいよねという話をしていました。それが2019年11月に開催した『かしわウィスキー&カクテルフェスティバル』です。
かしわウイスキー&カクテルフェスティバルは来場者とお店の方が交流を図れるようなプログラム構成にしました。そのままBarに行ってもらえるよう、夕方には終了させました。」

石原さん「コンクールはすごく盛り上がりましたが、イベント会社を入れず、関係者による手作りの運営だったので、当日は楽しむ余裕はなかったですね。
2021年からは新型コロナウイルス感染症が蔓延し、お酒を取り巻く環境が変わってきたので、あのような規模のイベントを行うには相当な覚悟が必要ですし、現時点ではすぐに大きなイベントを行うということは考えていません。ただし、振り返ると開催して本当に良かったと思っています。」
2021年、新型コロナウイルスにより、多くの飲食店が休業、時短営業を余儀なくされました。
そのような中、どのような思いでBarを運営していたのか、Bar Calma飯島さんに聞きました。石原さんいわく、柏で最もコロナ対策を行っているBarのひとつと言われているそうです。
飯島さん「衛生面で何をどのようにやるべきなのか、考え抜きました。そこまでやる必要はないのではと言われることもあります。でも、私がお客さまにうつす訳にもいかない。やれるだけのことはやりました。だからこそ安心だと言ってくれるお客さまもいらっしゃいます。」

また、この2年間は飲食店を取り巻く環境が厳しいものでしたが、飯島さんは原点に立ち戻るということを意識したそうです。
飯島さん「テイクアウトに力を入れる店もありますが、私の店はBarです。Barはお客さまに来てもらって成立します。接客業だけの話ではないですが、長く続けていると慣れが発生し怠慢が生まれます。だから一人ひとりのお客さまを大切にしようという新人の頃の気持ち、原点を思い出すことができました。だからBar に帰ってきてくれたお客さまから『やっててくれて、ありがとう、うれしいよ』と声を掛けられたときは本当にうれしかったですね」

インタビュー後、千葉大会の優勝作品でもある「ブレッシング」をオーダー。ミントとライムのさわやかな香りが鼻孔を通りぬけます。酔いしれました。
また、これまでは少なかった若い方やノンアルコールカクテルをオーダーするお客さまも見られるようになったとのことです。コロナ禍において、お酒との付き合い方も変化したのかもしれません。
石原さん「いちファンとしてBarという空間、音楽が好きで、バーテンダーさんと話すことが楽しい。それがないとBarではありません。また、コロナ禍において、静かに過ごすBarは安心なのかもしれません。そして飯島さんだから信頼できる。だからBar Calmaに通っています。」
石原さんと飯島さんのこのような信頼関係がうらやましく感じました。私もお気に入りのBar を見つけるため、Barの扉をたたいてみようと思います。
柏洋酒文化広報部 | 柏のBarにまつわる情報を発信 (bar-culture.info)
Bar Calma
住 所:千葉県柏市柏3-4-5 浜田ビル2F電話番号:04-7162-7177
営業時間:19:00~2:30(最終入店 1:30)
定 休 日:日曜日 チャージ:650円
Bar Calma (bar-calma.net)
柏駅社員による記事「柏ってバーの街?」
柏ってバーの街? | 常磐線の___!│JOBANSEN KNOW