明治元年創業。「新六本店」の奈良漬けは代々愛される取手の銘品

酒粕×地元野菜から生まれた評判の味

取手駅東口からてくてく歩いて5分。旧水戸街道沿いにある「新六本店」は、取手っ子におなじみの奈良漬けの老舗です。味のある看板が掲げられた日本家屋風のレトロな店構えで、店舗の後ろには白壁の土蔵も見えます。

店内に一歩入ると「いらっしゃいませ」の声とともに酒粕の香りがふわ~っと漂ってきて、密かにテンションが上がる私。実は両親がここの奈良漬けの大ファンで、私も物心ついた頃からよく口にしていたんです。

「新六本店」のルーツは江戸時代の造り酒屋にさかのぼります。当時は物流の中継地だった利根川で舟運業も営んでいたそう。ある日のこと、店の主・田中新六さんが酒粕と地元産のウリやキュウリを使って奈良漬けにしてみたら、これが親戚筋や近所で「うまい!」と評判に。そうして奈良漬の製造を新事業として進め、明治時代の始まりとともに「新六の奈良漬(現新六本店)」の名で創業。150年以上の長きにわたって地元で愛される店となりました。

看板商品は樽詰めの奈良漬け。ウリ・キュウリ・ナス・ショウガの4素材です。

伝統を守りつつ奈良漬の新たな価値を発信

皆さんは奈良漬けの名前の由来を知っていますか? 酒の名産地だった奈良で生まれた野菜の酒粕漬だからという説や、奈良時代に生まれたという説など諸説あるようです。かの徳川家康も好んで食べたという奈良漬。古くから庶民の食卓にも浸透していますが、最近の研究ではポリフェノールを多く含んでいることも分かり、体にうれしい健康食といえますね。

今回はウリとキュウリ、ナスが1本ずつ入った「新六の奈良漬11包」1,188円を実家用に購入しました。支払いをしようとした私に「こちらも人気なんですよ」と女性スタッフが教えてくれた「パパイヤ」594円。茨城県産の青パパイヤを原料にしていて、クセのないあっさりとした口当たりとか。値段も手頃だし、迷わずパパイヤも追加購入です!

明治元年に誕生し、時代が変わっても創業当時の味と製法を守り続けてきた「新六本店」。創業150周年にあたる2018年には“もっと気軽に奈良漬を”をコンセプトにした「きざみ」「すらいす」(ともに604円)、「しその実入りきざみ」「しょうが入りきざみ」(ともに626円)の4種類のアレンジパックを商品化。ポテトサラダや卵焼きに奈良漬けの香りと食感をちょい足しして、食事をアレンジできるアイテムとして提案しています。伝統を大切に守りながらも新しい挑戦を続ける「新六本店」から、今後も目が離せません!

香りと食感のちょい足しアイテムとしても最適な「しょうが入りきざみ」など4種のアレンジパック。

DATA

●新六本店
【住所】取手市取手2-13-36
【営業時間】8:30~18:00
【定休日】月
【アクセス】JR取手駅東口から徒歩5分
【公式HP】https://www.shinroku.co.jp/
※2021年3月時点の情報です。

タグ

関連記事

TOP